【アセアン】域内の経済成長予測、5%に上方修正=アジア開銀

【亜州ビジネス編集部】

アジア開発銀行(ADB)は21日発表した「アジア経済見通し2022年補足版」で、東南アジアの22年の国内総生産(GDP)成長率予測を5.0%とし、前回発表(4月)の4.9%からやや引き上げた。新型コロナウイルス対策の活動制限が緩和され、経済が回復に向かっていることから、主要6カ国のうちフィリピンとインドネシアの予測を上方修正した。一方、世界経済の減速などを受けてタイなどの予測は下方修正。域内のインフレ率予測は引き上げた。


フィリピンの予測は6.5%とし、0.5ポイント上方修正した。消費と投資が回復しており、政府による大型インフラ事業の推進も成長の原動力になる見通し。第1四半期の経済成長率は8.3%と予測を上回り、失業率は新型コロナ前の水準まで低下している。インドネシアの成長率は5.2%と予測。活動制限の緩和で雇用や収入が改善し、資源価格の高騰による輸出額の増加も追い風となる。ほか、ベトナムの予測は6.5%に据え置いた。輸出の拡大や生産・消費の回復に期待できるものの、中国経済の減速がマイナス要因になるとみている。

一方、タイとシンガポール、マレーシアは下方修正した。タイの成長率は6カ国中で最低の2.9%にとどまる見通し。世界経済の減速が輸出の足かせになるほか、原燃料高による生産コストの上昇や家計の購買力低下への懸念が高まった。シンガポールは資金調達コストの上昇による投資の減退もマイナス要因になると予測。マレーシアは中国経済の減速や観光業の回復の遅れが影響するとみている。

東南アジアの22年のインフレ予測は、1.0ポイント引き上げて4.7%とした。6カ国のうちタイなど4カ国で上方修正。一方、ベトナムは据え置き、資源国のマレーシアは2.7%に引き下げた。

23年の東南アジアのGDP成長率予測は5.2%とし、22年から加速すると予測した。一方でインフレ率は3.4%に減速するとみている。


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