【中国】コロナ対策緩和で感染急増、製造業は対応急ぐ

【亜州ビジネス編集部】

新型コロナウイルス防疫措置が緩和されて以降、中国で感染者が急増している。

製造業の現場では、労働力の確保や医薬品・消毒剤の備蓄など、工場の操業を維持し、サプライチェーンの停滞を防ぐための対策に追われている状況だ。感染症が拡大すれば生産停止や労働力不足に陥る恐れがあり、自動車や日用品、さらに米アップルの「iPhone」など、さまざまな製品の世界的な供給に影響を及ぼす可能性がある。ブルームバーグ通信が15日伝えた。

石油メジャーの中国石油化工(サイノペック)は、目先の課題を「戦争」に例え、対応を急いでいる。生産量を安定させるため、特定の従業員を他の従業員から隔離すると同時に、その休暇も認めない方針だ。また、新興電気自動車(EV)メーカーの蔚来集団(ニーオ)は、生産ラインの稼働を維持するため、従業員向けにトラック数台分の医療品などを用意したという。

上海にあるドイツ商工会議所のブテク会頭は、世界の国々がこれまでの経験から得た事実は、コロナ感染を「食い止めることはできない」ということだと指摘。「企業は全従業員が感染し、工場に誰もいなくなるリスクを抱えている」と警戒感を示した。同会議所の幹部には、フォルクスワーゲン、バイエル、シーメンスなど主要なドイツ企業の幹部が名を連ねている。

ブルームバーグのアナリストは、中国の経済再開への転換で、約500万人が入院する可能性があると予想。最大で70万人の死者が出る恐れがあると指摘している。


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