【亜州ビジネス編集部】
VNエクスプレスによると、2023年1〜2月の国内スマートフォン販売台数は250万台弱で、前年同期から30%減少した。物価高で消費者が財布の紐を固くする中、この時期としては過去数年で初めて減少したという。
スマホ販売店をチェーン展開するセルフォンSのグエン・ラク・フイ広報担当者は、消費が伸びるテト(旧正月)期には例年スマホ販売も1年のピークを迎えるが、23年はテト期さえ低調だったと説明。別の関係者も、近年はこの時期の販売が5〜15%増と好調だったが、23年は減少に転じ、世界的にも同じ状況だとしている。
スマホ販売は、物価高が始まった22年半ばごろから世界的に低調で、調査会社IDCによると、2022年第4四半期の世界販売台数は前年同期から18%減少。四半期としては13年以降で最も下げた。ベトナムでは、中・低価格帯のスマホ販売が大きく落ち込み、500万ドン(約2万7800円)以下のスマホの販売は22年に前年比で60%減少した。高価格帯のスマホ販売も振るわず、米アップルは最も価格が高いスマホの一つである「iPhone14ProMax」の価格をこの5カ月で25%下げ、2740万ドンとしている。
関係者らは、少なくとも23年末まではスマホとパソコン(PC)の販売回復を見込めないと予想。セルフォンSは、23年は販売が低調な店舗の営業時間を短縮するほか、人員も削減するとしている。