【タイ】1Qの経済成長率2.7%、観光回復で伸び加速

【亜州ビジネス編集部】

国家経済社会開発委員会(NESDC)が15日発表した2023年第1四半期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で2.7%増だった。前四半期の1.4%増から加速。渡航規制の緩和などで観光業が回復に向かったほか、個人消費も堅調だった。一方、物品輸出の落ち込みが続き、製造業は2四半期連続でマイナス成長を記録。同委員会は23年のGDP成長率予測を2.7〜3.7%に据え置いた。

物品とサービスを合わせた輸出は3.0%増と、2四半期ぶりのプラス。物品輸出が2四半期連続のマイナスとなる一方、外国人観光客の増加でサービス輸出が87.8%増と急伸した。GDPの6割近くを占める個人消費は5.4%増。前四半期(5.6%増)からやや減速したものの、飲食店やホテルなどのサービスの消費が大きく拡大し、高い水準を維持した。ただ、足元の新車販売の落ち込みを背景に耐久消費財は伸び悩んでいる。民間投資も2.6%増と伸びが鈍化した。

GDPを生産面から見ると、サービス業はほぼ全ての業種でプラス成長となり、観光業の回復に伴って宿泊・食品サービスが34.3%増、運輸・倉庫が12.4%増と2桁成長だった。また、公共インフラ工事の下支えで建設業は3.9%増と伸びが加速した。一方、輸出が落ち込む中、製造業は3.1%減と2前四半期連続の落ち込みとなった。

個人消費の予測は3.7%に上方修正
同委員会は今後も観光や個人消費の回復に期待できるとし、23年の年間のGDP成長率を2.7〜3.7%と予測。3カ月前の前回予測から据え置いたが、前年実績の2.6%は上回るとみている。うち個人消費の予測は3.7%に上方修正した。観光回復に加え、農家の所得向上なども消費を押し上げる要因になると見込んでいる。一方、物品輸出の予測はマイナス1.6%に据え置き。輸出価格の予測を引き上げる一方、輸出量の予測をマイナス1.1%に下方修正した。


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