【タイ】6月の物価上昇0.2%に減速、年間予測を下方修正

【亜州ビジネス編集部】

商務省が5日発表した2023年6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で0.2%となり、前月(0.5%)を下回った。6カ月連続で鈍化し、22年9月以降で最低の伸びを記録。生鮮食品(3.9%)の減速や、車両用燃料(マイナス16.0%)の下落幅拡大が指数を押し下げる要因となった。同省は年間の上昇率予測を前年比で1.0〜2.0%に引き下げた。

分野別では食品・非アルコール飲料(3.4%)が前月(4.0%)を下回り、1年5カ月ぶりの低水準を記録。生鮮食品では生鮮肉が2桁の低下となったほか、生鮮野菜の伸びが縮小した。非生鮮品でも調理済み食品などが前月の伸びを下回った。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は1.3%で、前月(1.6%)を下回り、1年5カ月ぶりの低水準となった。

一方、政府の補助金が終わったことで電力(8.2%)が2カ月ぶりに上昇。これを含む住居(2.0%)も2カ月ぶりのプラスに転じた。

1〜6月のCPIは前年同期比で2.5%上昇。同省は今回の結果を受け、23年の年間のCPI上昇率予測を1.0〜2.0%とし、6月時点で予測した1.7〜2.7%から下方修正した。原油価格が前年同期に比べて低い水準で安定しているほか、供給増を背景に肉類など一部食品の価格低下が続くとみている。


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