【中国】中国が日本産水産物の全面禁輸、岸田首相は撤廃要求

【亜州ビジネス編集部】

東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が24日午後に始まってから間もなく、中国税関は「放射性物質の汚染リスク」を防ぐためとして、同日から日本産水産物の輸入を全面禁止した。中国はこれまで日本10都県産の食品を輸入禁止にしていたが、日本全土に広げた格好だ。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)など複数メディアが伝えた。

これに対し、岸田文雄首相は24日、日本産水産物の輸入禁止を解除するよう中国に要求。「外交ルートを通じて即時撤廃を求めた。科学的根拠に基づき、専門家同士が議論していくよう強く働きかけていく」と述べた。

ロイター通信はエコノミストの見解を引用し、中国政府による日本産水産物の禁輸は「政治的なポーズ」と報道。中国は日本最大の水産物輸出市場だが、日本全体の輸出において水産物は1%に満たず、貿易の主流は自動車であることを理由に挙げた。

中国政府は日米韓3カ国による軍事・経済関係の強化を強く批判している。シンガポール国立大学の荘嘉穎・教授はロイター通信に対し、「日本と米国の緊密な同盟関係を考えると、日中競争は当然、米中競争の一部だ」と語った。


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