【アセアン】11月の東南ア製造業景況感、3カ月ぶりに悪化脱する

【亜州ビジネス編集部】

米S&Pグローバルが1日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2023年11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.0となり、前月の49.6から改善した。新規受注の落ち込みが続くものの、生産高の拡大ペースが加速。9~10月に景気拡大と悪化の分かれ目である50を下回っていたが、3カ月ぶりに景気悪化圏から脱した。

新規受注の指数は3カ月連続の50未満。うち輸出受注も縮小が続いている。ただ、上半期に積み上げた受注残の消化で生産高が拡大。また、前月まで2カ月連続で縮小していた雇用が横ばいとなった。S&Pは、受注の落ち込みが続いていることに懸念を示す一方、インフレ圧力の緩和が今後も下支えになると指摘した。

国別では7カ国のうち5カ国でPMIが前月を上回り、うち3カ国で50超だった。フィリピン(52.7)は前月から0.3ポイント上昇し、7カ国中で最高。新規受注、生産高とも引き続き拡大した。インフレの緩和も追い風となっている。インドネシア(51.7)は前月から0.2ポイント上昇した。輸出受注がやや減速したものの、生産高の好調が続く。

タイ(47.6)は前月から0.1ポイント上昇。既受注の消化で生産高が引き続き拡大した。ただ、新規受注の落ち込みが加速しており、PMIは4カ月連続で50を下回った。ベトナム(47.3)は国内外で新規受注が落ち込み、生産高や雇用、購買活動も停滞。指数は6カ月ぶりの低水準となった。生産コストの上昇に伴う値上げが顧客に受け入れられず、受注減につながるケースが一部で見られるという。


亜州ビジネスASEAN
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