【タイ】最賃400バーツで企業の労働コスト6%上昇=KRC

【亜州ビジネス編集部】

カシコン銀行傘下の総合研究所カシコン・リサーチ・センター(KRC)は、今年10月に法定最低賃金が全国で1日400バーツに引き上げられた場合、企業の労働コストが平均6%上昇するとの予測を発表。特に月給1万バーツ未満の従事者が多い農業や宿泊業、建設業、食品サービス業などでは、8~14%上昇するとみている。

インフレ率を押し上げる効果は0.1ポイントにとどまる見通し。生活費と家計債務が高止まりする中、労働コストの価格転嫁は難しく、物価への影響は小さいとみている。最低賃金で働く出稼ぎ労働者の多くが月給の3~4割を母国に送金している上、企業の倒産や失業のリスクがあることから、賃上げによる国内消費を拡大する効果は限定的との見方を示した。

都県別の法定最低賃金は、今年1月1日付で地域により1日328~354バーツから330~370バーツに引き上げられた。また、4月13日付で10都県の一部地域の観光業に限定して1日400バーツに引き上げられた。労働省は今月14日の閣議で、法定最低賃金を全国で1日400バーツに引き上げるための行動計画について報告。10月1日付の引き上げを目指し、賃上げに反対する業界団体との協議などに取り組んでいる。


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