タイ上場企業の今がわかる!タイ王国業界マップ【FILE 05-1 不動産セクター:建設資材分野】

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タイ証券取引所に上場している5番目のセクターは不動産・建設分野である。14年度末時点で不動産・建設分野は4つに分かれており、不動産建設資材「Construction Materials」21社、不動産開発「Property Development」 52社、不動産ファンド・REIT「Property Fund & REITs」54社、建設サービス「Construction Services」19社と合計146社。今回は不動産建設資材系の企業で上場している企業を解説する。タイの建設資材業界はセメント、アスファルト、コンクリートなどを中心に上場している大手企業が多い。その中でもサイアムセメント・グループ(SCC)は同業界最大手で王室財産管理局が株主となるコングロマリットである。同社はセメント、化学、製紙、建設資材や輸送事業などを幅広く行っている。

 

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建設資材セクターでは、セキスイハイム社がサイアムセメント社と合弁事業を展開したり、三協立山アルミがムアントン・アルミニウム社(未上場)と提携するなど建材系の日系企業の進出も進んでいる。今後も高速鉄道、複線化プロジェクトにより建設資材の需要が高まることが期待されている。セメントの大手3社は、サイアムセメント、サイアムシティセメント、TPIポレンの3社である。アスファルト大手のティプコ・アスファルトは飲料大手ティプコフーズ(TIPCO)が24%出資するグループ会社となる。ベトナムへ展開を進めるなどAECに向けた建材企業の動きも活発化している。

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※タイ証券取引所(SET)では厳密に分けると同業でも違うセクターで上場しているケースもある。 今回は原則セクター別の基準を準拠して解説。非上場の企業は今回は解説をせず除外している。


阿部俊之
ASEAN JAPAN コンサルティング社代表取締役。市場調査、分析、マーケティング、企業設立を得意とし、2015年末に向けてASEAN経済共同体(AEC)向け市場マップを配布中。TEL02-612-7323(資料請求はこちらへ)

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