“ミィ” 泰のビジネスを学ぶ BNK48大久保美織の挑戦【第29回】

 

長谷場:グラフを見てみていただけますか?

ミィ:え〜やだー?! 私の人気投票?

長谷場:コラー、自動車販売台数の推移って書いてあるだろ―。

ミィ:グラフを見ると人気投票結果って反応しちゃうんですよね。えへへ・・・。

長谷場:アイドルも大変だね。えーさて、今でもそうなんですが、タイで売れている車のだいたい6~7割はピックアップトラックを中心とする商用車でして、メインは乗用車ではないんです。だからタイ政府は2002年からタイにピックアップトラックの生産を集中させようとしたんですね。

ミィ:日本では珍しい車ですが、タイではたくさん走っていますよね。

長谷場:さらに「ゾーン毎に可能な事業」を縛っていたBOIの規制は2002年12月に自動車以外の事業にも緩和され、一部の危険物質を扱う事業を除いて、タイ国内のどこにでも立地できるようになり、ゾーンによる主な違いは法人税の免税期間となりました。

ミィ:でも、どうしてそんな規制緩和がされたんですか?

長谷場:実は2000年代に入るとタイだけではなくASEANの国々にとって企業誘致という面で強力なライバルが出現します。中国です。1992年以降に改革開放を加速させ、2001年11月に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟したことで共通のルールに基づいて貿易ができるようになったので、さらに企業が中国に注目するようになったんです。

ミィ:世界の工場って呼ばれてますもんね。

長谷場:国にとって「企業に来てもらう」ということは、選挙に立候補して選んでもらうことと同じです。そのためには企業の進出先として魅力的でなければなりません。このことがこの時期の規制緩和につながったんです。

ミィ:選挙、人気集め、誘致合戦ですね。よーく分かります、その気持ち・・(涙)。

長谷場:規制緩和という点では、2002年に外国語でのサービスを主に提供するコールセンターをBOIがサポートする事業に加えました。

ミィ:電話のお問合せ先ですよね?

長谷場:そうです。本来、コールセンターはサービス業なので日本企業の100%子会社では進出できなかったのですが、これ以降は可能になりました。また「日本人1人を継続して雇用するためにはタイ人を4人雇用しないといけない」というビザ延長時のルールがあるのですが、コールセンターはBOIの対象事業となったことで、このタイ人の雇用義務も適用されなくなりました。

ミィ:電話してくる人が日本人なら、さすがにタイ人で全て対応するのは難しいですもんね。

長谷場:日本で売っている商品の「お客様サポートセンター」に電話すると普通に日本人が対応していて違和感がないのですが、実は電話はバンコクに繋がっている、ということが起きているんですよ。

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