2日連続で発生したクレーン倒壊事故
悪名高きゼネコンの実態が浮き彫りになっている

©Fire & Rescue Thailand

1月14日、15日と連続で発生した建設現場でのクレーン倒壊事故。

この事故であわせて30人以上が死亡し、タイ国内に大きな衝撃を与えている。

調査の結果、いずれの建設現場もタイの大手ゼネコン「イタリアン・タイ・デベロップメント社(Italian-Thai Development:ITD)」が請け負っていることが判明。
同社はタイ最大手の建設会社として長年インフラ整備やビル建設などを手掛けており、国の重要な公共事業や民間大型プロジェクトにも参入している一方で、安全管理の問題や度重なる建設中の死亡事故が後を絶たない。

なかでも記憶に新しいのが、昨年3月に起きたミャンマー地震で建設中の監査院庁舎の崩壊した事故。この建設プロジェクトにもITDが関わっており、同社の名を国内外に大きく広めることとなった。

特に同社社長のプレームチャイ氏は、ITD創業者の息子で、「タイの建設王」とも称される人物。しかし、2018年には野生生物保護区で「黒ヒョウ」を密猟したとして逮捕・禁錮3年の実刑判決を受けていた。3年間の服役を経て、再びITDの社長に復帰したプレームチャイ氏。
例の黒ヒョウ事件以降、同社が関与する建設現場では死亡事故が相次ぎ、世間からは「黒ヒョウ事件の呪い」と揶揄され、国民からの信頼回復は厳しい模様だ。

一連のクレーン倒壊事故を受け、政府も「事態を放置できない」としてアヌティン首相(代理)は声明を発表。
「企業の安全管理責任は厳しく問われるべきであり、同社のプロジェクト契約を破棄する」と述べ、再発防止策の徹底を講じる考えを示している。

 

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