バイクに乗った親子に襲いかかった一頭のガウル。
そのツノに引っかかり森へ連れ去られた娘の安否は…

ガウルは世界最大級の野生の牛で、よく見慣れた酪農牛とはかなり異なる獰猛な容姿をしている。体長3m、体重1.5トンになる個体もいて筋骨隆々。雌雄とも三日月のような立派なツノが生えているのが特徴だ。主な生息地はインドからマレー半島にかけての森林地帯などだが、タイでも数百頭が生息しているという。

つい最近、そんなガウルにまつわる出来事がニュースを賑わせている。

ナコーンラーチャシーマーのカオペンマー狩猟禁止区域近くで1月11日夕刻、バイクに乗った親子が雄のガウルに襲われた。ガウルがバイクに突撃した衝撃で母親はバイクから落車。後ろに乗っていた娘(7歳)は着ていた服がガウルのツノに引っかかり、そのまま森の中へと連れて行かれてしまった。バイクから落ちて負傷を負ったとはいえ母親は娘が心配。必死に森の中を追いかけていくと、なんと衝突地点から100mほどの所で娘を発見したのだ。娘は鼻血を出すなどダメージはあったものの、大事に至らなかったのが不幸中の幸い。後日行われたメディアのインタビューにはこんな風に答えている。

「ガウルの頭を思い切り叩いたの。“私を下ろせ!”って言いながらね。そうしたらガウルが私を振り落としたの」。というように彼女はとても気丈で、発見された際には泣きもせずに母親を信じて迎えを待っていたという。まるでロデオ乗りのような武勇伝。彼女はガウルに乗りたくて乗ったわけではないが、その勇気が自分を助けたとも言える。

カオヤイ国立公園でもガウルが出没するそう。もし見かけても絶対に近づいてはならない。

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