【亜州ビジネス編集部】
スパタナポン副首相兼エネルギー相は1日、低年式車の買い替えに対する支援策の導入を見送ると明らかにした。具体的に決めるべき内容が多く、近いうちに詳細がまとまらないことから、計画を無期限で延期する。プーチャッカーンなどが伝えた。
アヌチャー政府報道官によると、工業省が無期限での導入延期を要請し、同日の閣議でスリヤ工業相が提案した。導入が遅れれば消費者の買い控えが長期化し、新車販売の低迷につながるとの懸念が出ていたことも考慮された。
計画では、大気汚染の軽減に向けて買い替え対象を国内生産の純電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など電動車に限定。使用年数が12年を超える自動車を買い替える購入者が、減税などで実質的に通常よりも最大10万バーツ(約34万5000円)安く買えるようにすることが盛り込まれていた。ただ、業界団体のタイ工業連盟(FTI)自動車部会から、EVを除外して化石燃料車のみ対象にすべきとの要望が挙がるなど、具体的な内容や購入支援の方法を多く協議する必要に迫られていた。
FTI自動車部会のスラポン副部会長兼広報担当は、導入の見送りに賛意を表明。消費者の早期買い替えにつながるとの見方を示した。また、政府がEV産業を振興するならば、多くのメーカーが国内生産を開始する2021年末から22年初め以降に支援策を実施すべきと提言した。