【中国】「メタバース」は既存産業の成長後押し、テンセントも熱視線

【亜州ビジネス編集部】

中国のインターネットサービス最大手、騰訊HD(テンセント・ホールディングス)の劉熾平・総裁は10日の決算説明会で、世界的に注目を集める仮想空間「メタバース」について、オンラインゲームやSNSなど、既存産業の成長を後押しする存在になるとの見解を示した。自社はメタバースを探索・開発するための技術、能力ともに擁するとコメント。さまざまなルートを通じて、メタバース分野に参入できると述べている。香港経済日報が11日伝えた。

劉総裁は参入例として、インタラクティブで開放的なゲームの開発、SNSのゲーム化などのアイデアを挙げた。一方で、メタバースに対する中国当局の監督スタンスについては、ゲームと同様のものになる見通しで、ユーザーが規則を守りさえすれば、当局もメタバースの発展を支援するとみている。

このほか、同社は今後、海外市場の拡大に注力していく考えだ。海外の開発拠点を増強していく。この日発表した2021年第3四半期(7〜9月)決算では、規制の影響を受けた中国本土のゲーム収入が5%増にとどまったのに対し、規制対象外となった海外ゲーム収入は20%増加している。

なお、テンセントは数年前からメタバースに関心を示していた。2019年に米ゲームプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」との提携を発表し、20年の資金調達でも同社に出資した。ロブロックスはメタバース実現にもっとも近い企業の一つとされる。


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