【タイ】10月の輸出額17%増、8カ月連続でプラス

【亜州ビジネス編集部】

商務省の22日発表によると、2021年10月の輸出額は前年同月比17.3%増の227億3870万米ドルだった。

増加は8カ月連続。農業製品、主要工業製品とも前月に続き2桁増だったほか、燃料が急伸して全体をけん引した。資源高を背景に輸入額も2桁増が続いており、10月は34.6%増の231億890万米ドルに拡大。貿易収支は3億7020万米ドルの赤字だった。

輸出額は燃料が2.4倍に増え、全体の3.2%を占めた。ほか、8割を占める主要工業製品は13.9%増、2割弱の農産物・加工品は18.2%増。変動の大きい石油、金と武器を除く輸出額は12.2%増で、前月(14.8%増)から伸びが減速した。

工業製品では主力の車両・部品など多くが2桁増を記録した。車両では乗用車、ピックアップトラックとも2割のプラス。電子ではプリント回路基板(PCB)が18.6%増と伸びが大きかった。

農産物・加工品では、日本で品不足が問題となっている鶏肉の輸出量が8.0%減の7万3418トンと、3カ月連続のマイナス。ただ、前月比では増えており、輸出量は7月の水準を回復している。

国別の輸出額は、最大の米国向けが16.1%増、2番目に大きい中国向けが14.1%増だった。一方、国別3位の日本向けは2.0%減で、12カ月ぶりの前年割れ。自動車・部品や鶏肉加工品、ゴム製品が落ち込んだ。

輸入額は、原油を含む燃料が倍増し、資本財なども大きく増加。原材料・半製品では、鉄・鉄鋼製品が9割増、アルミニウム・アルミ製品が6割増、銅・銅製品が4割増だった。

1〜10月の累計は、輸出額が前年同期比15.6%増の2227億3640万米ドル、輸入額が31.3%増の2210億8980万米ドル、貿易収支が16億4660万米ドルの黒字だった。国家経済社会開発委員会(NESDC)は11月15日、21年の輸出額が前年比で16.8%増えるとの予測を発表。8月時点で予測した16.3%増から上方修正した。


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