【ベトナム】国内自動車メーカー、部品不足で生産遅延

【亜州ビジネス編集部】

国内の自動車メーカーでは、半導体などの部品不足で生産ペースが落ち込んでいる。新型コロナウイルス対策の厳格なソーシャル・ディスタンス(社会的距離)措置が緩和されて自動車需要が回復してきている一方、供給が追い付かない状況。ベトナムニュースが22日付で伝えた。

国産ブランド車のビンファストでは、2021年末に納車を開始した電気自動車(EV)「VFe34」について、1月の販売台数が40台にとどまった。半導体などの部品供給が滞って生産が遅れているためで、サプライヤーとともに解決に向け尽力している。同社の代表者は、部品不足はベトナムだけでなく世界的に起きており、既存サプライヤーと協力するだけでなく、新たなサプライヤーを模索する必要もあると話した。

地場タインコン・グループと韓国・現代自動車の合弁会社である現代タインコンでも部品が不足。部品確保に向けて国内外のサプライヤーに問い合わせを続けているという。

ベトナム税関総局によると、1月の自動車部品輸入額は3億9500万米ドルで、前月から7.8%減少。国内の自動車産業では部品の多くが輸入品で、輸入が滞ることによる影響は大きい。ベトナム裾野産業協会によると、国際的な認証を取得した自動車部品メーカーは国内に20〜30社程度しかなく、価格もタイなどに比べて10〜20%割高。さらなる業界の育成が必要となっている。

業界専門家のグエン・ミン・ドン氏は、国内で自動車部品産業を発展させるためには、政府が投資優遇策を講じる必要があると強調。土地使用料や法人税を10年間免除するといった奨励策が不可欠としている。


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