【マレーシア】2Q経済成長率8.9%、コロナ規制の反動増

【亜州ビジネス編集部】

マレーシア中央銀行は12日、2022年第2四半期の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比8.9%だったと発表した。3四半期連続のプラスで、伸び率は前四半期の5.0%から加速。前年は新型コロナウイルス流行で6月から全国的な活動制限令(MCO)が敷かれたことで冷え込んでおり、大幅な反動増となった。


成長率を産業別にみると、5部門のうち3部門がプラス。最も伸びたのはサービス業の12.0%で、前四半期の6.5%から伸びが加速した。新型コロナ関連規制の緩和や外国人来訪者数の増加が追い風となった。製造業は9.2%で、前四半期の6.6%から加速。半導体や消費財がけん引した。建設は2.4%で、前四半期のマイナス6.2%からプラス転換。農業はマイナス2.4%(前四半期は0.1%)となり、コスト高や外国人労働者不足で生産が縮小した。鉱業はマイナス0.5%(同マイナス1.1%)だった。

成長率を支出別にみると、全体の58.8%を占める個人消費はプラス18.3%で、前四半期の5.5%から伸びが大幅に加速。民間投資は6.3%で、前四半期の0.4%を上回った。政府支出はプラス2.6%、公共投資はプラス3.2%、輸出はプラス10.4%、輸入はプラス14.0%と拡大した。

中銀は、国内外の需要拡大や労働市場の改善で22年も経済が回復に向かうと予想。金融正常化を進める欧米の経済成長は鈍化するとみるが、国内の外国人来訪者数の増加、大型建設案件の進ちょく、停滞した物流の改善なども後押しし、22年のGDP成長率は5.3〜6.3%と前年の3.1%から加速するとみている。


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