【中国】上海市の車産業が存在感UP、輸出台数で中国全体の40%

【亜州ビジネス編集部】

新エネルギー自動車(NEV)製品を中心に、上海市の車製造業が拡大を続けている。中国で最も重要な製造・販売エリアに躍進した。中国全体に占める上海市のシェアは、自動車(燃油車+NEV)生産で11%、車部品生産で20%、輸出台数で40%に上っている。21世紀経済報道が14日付で伝えた。

全国第1陣の「NEV普及・応用都市」指定を受けた2009年以来、上海市の関連産業は成長が加速している。21年の中国NEV生産354万5000台のうち、上海製は18%に相当する63万2000台に達した。上海市のNEV関連企業は、2021年末時点で1万3293社を数える。全国の3.88%を占めた。


22年上半期のNEV生産数は、前年同期比3割増の42万台に達し、全国最多という地位を不動にしている。特にテスラ(TSLA/NASDAQ)の中国現地生産工場「テスラ上海ギガファクトリー」は存在感が大きい。22年上半期の海外輸出は9万7182台に拡大し、全国NEV輸出全体に占める比率が48%に達した。

一方、上海市の完成車メーカーは、中国最大手の上海汽車集団とそのグループ企業の上汽大衆(上汽VW)、上汽通用(上汽GM)、上汽乗用車など。GM、フォード、ボルボ、ジャガーランドローバーなどのグローバル企業も上海に中国本部を置いた。新興の電気自動車(EV)メーカー、蔚来集団、威馬汽車技術(Weltmeister)、ナタ汽車(NETA)、愛馳汽車(AIWAYS)、高合(HiPhi)なども上海を選好している。

車部品などでは、ボッシュ、コンチネンタル、ZF、現代モービス、アプティブ、ミシュラン、マグナ、リア、フォルシア、アディエント、グッドイヤー、オートリブ、ビステオンなどが上海にそろって進出。中国大手の華域汽車系統、寧波杉杉、保隆科技、岱美、新朋、松芝なども集積した。

上海市の自動車保有は、都市別で中国5位の規模にある。今年6月末時点の保有台数は、北京市の622万4000台、成都市の589万6000台、重慶市の563万6000台、蘇州市の482万9000台、上海市の475万4000台、鄭州市の444万8000台、西安市の421万9000台、武漢市の403万9000台、深セン市の382万2000台、東莞市の373万8000台など。上海市の1000人当たり保有は191台。蘇州市や北京市や全国平均(219台)を下回る水準だ。

ただ、上海市のEV保有は71万台に拡大している。1000人当たりの保有は29台に達し、全国平均の7台を大幅に超えた。

22年上半期のNEV販売は、上海市で前年同期比20%減の8万4000台(深セン市に次ぐ全国2位規模)に低迷している。ただ、新車販売に占めるNEV比率は、21年の29%から22年上半期の38%にまで急拡大した。

今年上半期の中国NEV販売は、都市別で深セン市が8万6000台、上海市が前出の通り8万4000台、杭州市が7万6000台、成都市が7万1000台、広州市が6万6000台、北京市が5万9000台、重慶市が4万8000台、蘇州市が4万6000台、鄭州市が4万5000台、仏山市が4万4000台などで推移した。


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