【アセアン】東南アの経済成長率5.3%予測、AMROが上方修正

【亜州ビジネス編集部】

東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓の経済を調査・監視するASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)は6日発表したリポートで、2022年のASEAN域内総生産(GDP)成長率を5.3%と予測した。7月の前回予測から0.2ポイント上方修正。

新型コロナウイルス禍からの経済回復が速いペースで進むとみており、10カ国のうちマレーシアなど5カ国で上方修正した。一方、各国で食品・燃料高が続き、通貨が下落する中、インフレ率の予測は7.6%に引き上げた。

GDP成長率の予測は、マレーシアで1.3ポイント上方修正し、域内で最も高い7.3%とした。同国は資源が豊富で輸出額が大幅に伸びているほか、新車販売など国内消費も拡大が続いている。インフレ率については域内で最も低い3.5%にとどまるとAMROは予測した。同じく他国に比べインフレ率が低いベトナムのGDP成長率は7.0%に上方修正。同国の1〜9月の成長率はサービス業や製造業のけん引で8.8%に達している。AMROはほか、インドネシアやカンボジアの成長率予測も引き上げた。

一方、中国向け輸出に陰りが見えるシンガポールの成長率予測は3.1%に下方修正。同国では労働力不足で労賃が上昇しており、インフレ率予測は5.9%に引き上げた。タイの予測はGDP成長率、インフレ率とも据え置き、それぞれ3.2%、6.3%とした。

日中韓を合わせたASEAN+3のGDP成長率は3.7%と予測。中国経済の減速を受けて0.6ポイント下方修正した。23年についてはASEANが4.9%、ASEAN+3が4.6%と予測し、共に0.3ポイント引き下げた。ウクライナ問題の長期化や世界的な金融引き締めなどを懸念している。


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