【タイ】1月の物価上昇率5.0%、9カ月ぶり低さ

【亜州ビジネス編集部】

商務省が6日発表した2023年1月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で5.0%だった。前月(5.9%)を下回り、2カ月ぶりに伸びが鈍化。食品や燃料など多くの品目で上昇幅が縮小し、9カ月ぶりの低水準となった。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は前年同月比で3.2%と、前月から横ばいだった。

品目別では、食品・非アルコール飲料(7.7%)が前月(8.9%)を下回り、2カ月ぶりに減速。これまで2桁上昇が続いていた生鮮肉(マイナス1.8%)が、前年同月に伸びが大きかった反動もあって1年3カ月ぶりに低下した。また、油脂(4.6%)は22年半ばに3割近く上昇していたが、パーム油価格が下落する中で落ち着きを取り戻している。食品以外では、車両用燃料(9.8%)が21年2月以来、1年11カ月ぶりの低水準だった。

タクシー値上げで
一方、バンコクでタクシー運賃が8年ぶりに引き上げられ、公共交通運賃(6.2%)は伸びが加速。また、下旬に旧正月があったことでミカンやドラゴンフルーツなどの需要が増え、生鮮果物(10.1%)が大きく伸びた。

同省は2月のCPIについて、上昇率の鈍化が続くと予測。世界経済の減速で燃料需要が縮小するとみられるほか、バーツ高の進行による輸入コストの低下もあって、物価上昇が抑制されると説明した。一方、企業による原燃料費の価格転嫁や、観光業の回復に伴う内需拡大が物価を押し上げる要因になると指摘した。23年の年間上昇率は前年比2.0〜3.0%と予測とし、前月時点の予測から据え置いた。22年は6.1%で、1998年(8.0%)以来の高水準だった。


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