【タイ】2月の工業生産3%減、5カ月連続でマイナス

【亜州ビジネス編集部】

工業省工業経済事務局(OIE)の29日発表によると、2023年2月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は98.9となり、前年同月比で2.7%低下した。前年同月を下回るのは5カ月連続。輸出が低調に推移する中、電子や化学などの落ち込みが続いている。一方、季節調整済み前月比では2.1%上昇した。

主要10品目のうち6品目が前年同月比でマイナス。電子(14.7%低下)は前月に続く2桁のマイナスで、主力のハードディスク駆動装置(HDD、35.8%低下)の大幅な落ち込みが続いている。一方、集積回路(IC、8.6%上昇)は伸びが拡大した。ほか、化学(8.1%低下)は化学肥料やプラスチック粒の落ち込みが大きく、ベースメタル(6.1%低下)では鋼板と条鋼が前年を割り込んだ。

自動車は9カ月連続のプラス成長

一方、自動車(6.8%上昇)は9カ月連続のプラス成長を記録。半導体不足の改善を背景に乗用車(49.2%増)が大きく伸びた。ただ、1トンピックアップトラック(8.8%低下)は前年割れが続いている。食品(6.0%上昇)はパーム油や砂糖の伸びが指数を押し上げた。

同時に発表された2月の製造業設備稼働率は61.9%。前年同月比で3.0ポイント低下、前月比で0.3ポイント低下だった。うち自動車の稼働率は78.9%で、前年同月比で3.4ポイント上昇、前月比で0.5ポイント上昇。2月としては4年ぶりの高さだった。


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