【フィリピン】政策金利据え置き、インフレ落ち着き10会合ぶり

【亜州ビジネス編集部】

フィリピン中央銀行は18日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利である翌日物借入金利(REP)を6.25%に維持すると発表した。据え置きは10会合ぶり。インフレ圧力を抑える狙いで2022年5月から9会合連続で利上げしていたが、足元で物価高が落ち着いてきたことから据え置きに転じた。

フィリピンの4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で6.6%。3カ月連続で鈍化し、1月(8.7%)に記録した14年2カ月ぶりの高水準からは2.1ポイント低下した。電気代やガソリン、野菜などの価格上昇が緩和したことが背景にある。中銀は、現在の金融政策は適切であり、インフレ率は次第に目標レンジの2.0〜4.0%に収まると予想。23年通期のインフレ率は5.5%と予想し、以前の6.0%から下方修正した。24年には2.8%に減速するとみている。

中銀は、23年第1四半期の実質国内総生産(GDP)成長率が前年比6.4%となり、前四半期の7.1%から鈍化したことについて、政策金利を連続で引き上げたことで需要をやや和らげた結果もあると説明。ただしまだ成長率は高い水準にあり、一方で利上げによりインフレ抑制効果が出たことは大きいとしている。

中銀は、新型コロナウイルス流行で景気が悪化した20年に5度の利下げで政策金利を2.00ポイント引き下げ、2.00%とした。その後は11会合連続で据え置いていたが、22年5月に3年半ぶりの利上げを実施。同年第1四半期の堅調な経済指標を確認したためで、金融緩和策を正常化する方向に切り替え、9回連続の利上げで政策金利を6.25%まで引き上げていた。


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