【アセアン】10月の域内車生産12%減、販売はタイが3位転落

【亜州ビジネス編集部】

東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2023年10月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比12.4%減の36万9251台だった。前年割れは2カ月連続。販売低迷が続くタイなどの3カ国で引き続き落ち込んだ。タイは1~10月累計の販売台数で、好調が続くマレーシアに抜かれ域内3位に転落した。

最大生産国のタイの生産台数は7.0%減と、3カ月連続の前年割れ。生産の6割を占める1トンピックアップトラックの国内販売が自動車ローンの与信厳格化などで低調に推移している。輸入の電気自動車(EV)の増加も生産減の一因となっており、10月は国内市場でEV比率が12.5%に拡大した。タイ工業連盟(FTI)は10月、23年通期の生産台数目標を185万台(前年実績比1.8%減)に下方修正。国内向け生産の目標を5万台引き下げた。

域内2位のインドネシアの生産台数は12.7%減で、タイと同様に3カ月連続のマイナス。国内販売が13.9%減と2桁のマイナスが続き、完成車輸出は6.4%減だった。ベトナムは景気減速で生産販売とも3割の減少。販売台数は20~22年にフィリピンを上回ったが、足元で逆転されている。インドネシアとベトナムは11月の販売台数も発表済みで、共に引き続き前年割れだった。

フィリピンの10月の販売は18.6%増と引き続き好調。生産は0.9%増に減速したものの、プラスを維持した、マレーシアは生産販売とも2割超の拡大。販売台数は足元でタイを逆転しており、1~10月の累計では800台ほど上回った。仮に年間でもタイを上回れば、02年以来、21年ぶりとなる。ただタイでは12月上旬の自動車展示販売会で受注台数が前年開催の1.5倍に当たる5万3248台と好調だったことから、最終的に再び逆転されることも考えられる。

1~10月の6カ国の生産台数は前年同期比0.7%増の360万2988台。新型コロナウイルス流行前の19年1~10月(351万7688台)を上回ったものの、年初に比べると勢いを失っている。1~10月の東南アジア7カ国の販売台数は1.2%減の274万9743台で、19年1~10月(285万2518台)を下回った。


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