【タイ】3月のCPIは0.5%低下、6カ月連続でマイナス

【亜州ビジネス編集部】

商務省が5日発表した2024年3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比でマイナス0.5%だった。前年同月を下回るのは6カ月連続。前月と同様に、政府の価格抑制策で電気料金や軽油価格が抑えられたほか、前年同月に高水準だった豚肉や野菜、食用油が反動で値下がりした。ただ、前月(マイナス0.8%)からは落ち込みが緩和した。

品目別では、食品・非アルコール飲料(マイナス0.6%)の下落幅が前月(マイナス1.0%)を下回り、2カ月連続で下げ幅が縮小。コメ(3.9%)の伸びが鈍化したものの、野菜など生鮮食品(マイナス1.9%)の下げ幅が前月(マイナス2.7%)から縮小した。食品以外では、車両用燃料(マイナス1.2%)を含む運輸・通信(マイナス0.4%)の下げが緩和。一方、電力を含む住居(マイナス0.9%)は前月を上回る落ち込みだった。

同省は第2四半期のCPIについて、原油価格の上昇などで第1四半期から加速すると予測。通貨バーツの下落や観光業の回復などもインフレ要因になると指摘した。一方、前年同期に豚肉や野菜が高水準だった反動や、国内経済の成長鈍化、流通業界の競争激化などが指数を押し下げる要因になるとの見方を示した。

24年の年間のCPI上昇率予測は0.0~1.0%(平均0.5%)とし、前月時点のマイナス0.3~プラス1.7%(同0.7%)から修正。エネルギー価格の上昇を受けて下限を引き上げる一方、政府の価格抑制策の継続や景気減速が予測されることから上限を引き下げた。


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