【亜州ビジネス編集部】
商務省が7日発表した2024年9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で0.6%だった。前年同月を上回るのは6カ月連続で、前月(0.4%)から小幅に加速。軽油価格の上昇や、洪水の影響による生鮮野菜(12.8%)の高騰などが指数を押し上げる要因となった。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(0.8%)は、前月を0.2ポイント上回った
食品・飲料(2.3%)は23年6月以来の高い伸びを記録。トマトやトウガラシなどの生鮮野菜のほか、コーヒーなど飲料も上昇幅が拡大した。ただ、コメ(1.4%)は足元で伸び減速が続いている。食品以外では、住居(0.4%)が4カ月ぶりのプラスに転じた。
一方、車両用燃料(マイナス4.5)は2カ月連続の前年割れで、前月を上回る落ち込みだった。政策要因で軽油価格が上昇したものの、原油価格の下落を背景にガソリンなどがマイナスとなった。
同省は第4四半期のCPIについて、第3四半期に比べ上昇が加速すると予測。指数を押し上げる要因として、軽油価格の上昇や、洪水被害による青果物の値上がり、観光業の回復に伴う航空券などの値上がりを挙げた。一方、原油価格の低下や通貨バーツの上昇などがインフレを抑制する要因になるとみている。24年の年間のCPI上昇率予測は0.2~0.8%(平均0.5%)とし、前月時点の予測(0.0~1.0%)から範囲を狭めた。1~9月の上昇率は前年同期比で0.2%だった。