【亜州ビジネス編集部】
4月23日に締め切られた車両購入権(COE)の入札で、小型車向けのカテゴリーAと全車種向けのオープンカテゴリー(カテゴリーE)でCOE価格が上昇した。それ以外のカテゴリーでは価格が下落した。ビジネスタイムズなどが伝えた。
カテゴリーAのCOE価格は9万9500シンガポールドル(約1090万円)で、前回(4月9日)から1.8%上昇。年初来で最も高い水準となった。排気量1600cc以下または出力130馬力以下のエンジン車、出力110キロワット(kW)以下の電気自動車(EV)が対象となる。
これより大きい排気量1600cc超または出力97kW超の車両が含まれるカテゴリーBは11万7003シンガポールドルで、前回から0.8%の下落。商用車向けのカテゴリーCは6万5001シンガポールドルで、5.5%の下落となった。バイク向けのカテゴリーDも5.9%下がり、9309シンガポールドルだった。
バイクを除く全車種に使用できるオープンカテゴリー(カテゴリーE)のCOE価格は11万8001シンガポールドルとなり、0.9%上昇した。
陸上交通庁(LTA)は4月16日、次期(5~7月)のCOE枠を1万8232台と発表。現行(2~4月)より6.4%増やす。特にカテゴリーAは10%増の7511台、カテゴリーBは5%増の4689台となる。
こうした供給増にもかかわらず、カテゴリーAの価格が上昇した背景には、EV需要の拡大と、最大4万シンガポールドルのEV優遇措置が年内で終了する可能性があるとの懸念がある。EVでは、中国の比亜迪(BYD)や米テスラなど複数のメーカーが参入し、競争が激化している。
業界関係者によれば、5月3~4日に予定されている車展示販売イベント「カー・エクスポ2025」を前に、一部ディーラーが先回りして入札を強化し、価格が上昇した可能性もあるという。今後も需要が続くとの見方が多く、供給増だけでは価格の抑制につながらない可能性が指摘されている。