【亜州ビジネス編集部】
タイ工業連盟(FTI)の4月29日発表によると、2025年3月の国内自動車生産台数は前年同月比6.1%減の12万9909台だった。前年同月を下回るのは20カ月連続。ただ下落幅は縮小傾向にあり、国内販売向け生産は23年5月以来、1年10カ月ぶりのプラスに転じた。電気自動車(EV)などの生産が拡大した。
国内販売向け生産は0.4%増加。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)の生産拡大で乗用車が35.0%増と大きく伸びた。ただ家計債務の増加に伴うローン審査の厳格化を背景に、1トンピックアップトラックは引き続き大幅減だった。3月の国内新車販売は0.5%減と、小幅な落ち込みだった。
輸出向け生産は全体で9.4%減。一部モデルが新型への切り替え時期だったことで乗用車が半減した。一方、1トンピックは9.7%増と、前月に続き拡大した。3月の完成車(CBU)輸出台数は、1トンピックと乗用車の合計で14.9%減の8万914台。豪州や中東、欧州などへの輸出が減った。
輸出・国内向けを含む乗用車の電動車の生産台数は、◆EV=4.4倍の5412台◆PHV=3.9倍の2360台◆ハイブリッド車(HV)=4.2%増の1万9365台――だった。
1~3月の全体の生産台数は前年同期比14.9%減の35万2499台。同連盟は1月下旬、25年の自動車生産台数の予測を前年比2.1%増の150万台と発表したが、足元では厳しい状況が続いている。30日付バンコクポストによると、FTI自動車部会のスラポン顧問兼広報担当は、生産台数が140万台を下回る可能性があると指摘。米国の相互関税の影響なども見極めながら、年央には予測を下方修正するとの方針を示した。
■バイク生産6.5%増
同連盟によると、3月の国内バイク生産台数は前年同月比6.5%増の23万3782台だった。内訳は、CBUが3.4%増の18万5931台、輸出向けの完全組み立て部品(CKD)が20.8%増の4万7851台。輸出台数(CBUとCKDの合計)は6.6%増の9万1951台だった。1~3月のバイク生産台数は前年同期比0.7%増の66万4485台だった。