【シンガポール】製造業景況感が9期ぶりマイナス、米関税で先行き懸念

【亜州ビジネス編集部】

シンガポール経済開発庁(EDB)が発表した2025年4~9月期の製造業景況感指数は、マイナス6%だった。マイナスは9期ぶり。米政府の関税引き上げや米中貿易摩擦の激化などにより世界経済の先行き不透明感に対する懸念が高まった。

指数は業況が「改善する」と回答した企業の割合から「悪化する」と回答した割合を引いたもの。今回の調査は25年3~4月に製造業408社を対象として実施し、回答率は87%だった。

業種別では、6業種のうち主力の電子(マイナス9%)など3業種がマイナスだった。電子は前期(プラス25%)の2桁のプラスからマイナスに転換。米国の相互関税が世界の半導体需要やサプライチェーン(供給網)に及ぼす影響に対する懸念が高まり、半導体(マイナス13%)がマイナス圏に沈んだ。

ほかに化学(マイナス22%)とバイオ医療(マイナス8%)もマイナス転換。化学では、特に石油(マイナス48%)のマイナス幅が大きかった。一方、航空分野の受注が堅調な輸送エンジニアリング(プラス14%)は、前期(プラス24%)から減速したものの2桁のプラスを維持した。

サービス業は17期ぶりマイナス

シンガポール統計局が発表した25年4~9月期のサービス業景況感指数はマイナス17%となり、17期ぶりのマイナスだった。全11業種のうち10業種が景気悪化圏で、金融・保険(マイナス36%)や小売り(マイナス34%)などが大幅なマイナスだった。

指数は製造業と同様に業況が「改善する」と回答した割合から「悪化する」と回答した割合を引いたもの。調査は25年3~4月にサービス業の約1500社を対象として行われた。


亜州ビジネスASEAN
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