【亜州ビジネス編集部】
中国の自転車生産台数は2024年に9953万7000台と1億台に迫る勢いだ。前年比で横ばい(0.4%)となり、年間を通じて安定した成長を実現している。5日に上海で開幕した「2025年中国国際自転車展覧会」で報告された情報として、中国政府系メディアが報じた。
自転車の24年輸出動向も堅調。輸出台数は前年比20.7%増の4781万4000台、輸出額は3.7%増の26億6400万米ドル(約3813億円)に伸びた。このうち電動自転車はそれぞれ12.0%増の467万2000台、6%増の21億米ドルとなっている。中国自行車協会の鄭小玲・報道官は「自転車の海外輸出は底打ち後に安定し、年間生産台数の増加を牽引した」と述べた。
鄭報道官によれば、「騎行熱(サイクリングブーム)」に牽引される形で、24年上半期に中高級スポーツ自転車の消費が大幅に拡大した。民族ブランドの中高級製品販売は前年比で20%増加している。一方、国際ブランドも中国展開を加速。主要都市に専門店を開設し、市場拡大を図った結果、年間競技用自転車の輸入台数は前年比で12.5%増加した。鄭報道官は「電動自転車の中高級モデルが占める割合はすでに19.1%に達し、スマート化やファッション性の向上によってユーザー体験が大幅に向上した」と述べている。
中国商務部などの関連部門は24年8月、消費財の買い替え補助政策「以旧換新」の対象に電動自転車を組み入れた。今年1月には電動自転車の以旧換新政策を25年も継続すると通知した。「以旧換新」を利用して購入された電動自転車は年初から4月8日までに、累計334万1000台となり、300万台の大台を突破した。すでに24年9~12月の2.4倍に相当する規模に達している。
鄭報道官は「国家レベルで初めて電動自転車の買い替え支援策が導入され、市場の活性化が期待される」とした上で、「政府補助と企業の値引きを連携させることで、旧型車や規格外車の淘汰を加速させる」と述べた。
「25年中国国際自転車展覧会」は5月5~8日の日程で上海新国際博覧中心で開催される。国内外から約1600社が出展し、最新の自転車関連製品や業界動向を紹介している。