【亜州ビジネス編集部】
商務省が6日発表した2025年4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比でマイナス0.2%だった。マイナスは13カ月ぶり。足元の原油価格低下で車両用燃料(マイナス8.4%)の下落幅が拡大したほか、前年に猛暑で高騰していたキュウリなど生鮮野菜(マイナス14.7%)も大きく落ち込んだ。一方、振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(1.0%)は前月(0.9%)を上回った。
車両用燃料のマイナスは2カ月連続。ガソリンやガソホール(ガソリンにエタノールを混合した燃料)の価格が低下した。また、食品・非アルコール飲料(1.6%)は前月を0.8ポイント下回り、供給が増えた生鮮野菜や卵の価格が前年を割り込んだ。一方、肉類や調理済み食品は値上がりが加速した。
同省は5月のCPI上昇率が4月と同水準になると予測。インフレ率を押し下げる要因として、◆原油価格が低下していること◆政府が電気代の抑制など生活費支援策を実施していること◆好天が続き、前年同期に価格が高かった生鮮野菜の生産が増えたこと◆大企業が販促活動を実施していること――を挙げた。一方、国内の軽油価格上昇や、ライム、コーヒーなど一部農産物の値上がりが指数を下支えするとの見方を示した。
25年のCPI上昇率の予測は、2月時点で前年比0.3~1.3%(平均0.8%)と発表している。