【亜州ビジネス編集部】
債務者の信用情報を収集・提供する国家信用報告機関(NCB)のデータによると、2025年3月末の家計債務残高は前年末比0.6%減の13兆5400億バーツだった。うち90日以上延滞している不良債権(NPL)の残高は2.5%減の1兆1900億バーツ。不良債権比率は0.1%低下し、8.8%に改善した。ただ自動車ローンに限ると、不良債権比率は11.3%に上昇した。
160以上の金融機関から取得したデータを集計したもので、NCBのスパポン総裁が個人のフェイスブックページで明らかにした。家計債務の残高では、全体の4割近くを占め最大の住宅ローンが0.2%減少。またローン審査が厳格化する中で自動車ローンは2.4%減だった。
ただ自動車の不良債権残高は0.5%減と減少幅が小さく、不良債権比率は前年末から0.2ポイント上昇して11.3%に悪化。1年前との比較では不良債権額が11.4%増え、不良債権比率は2.0ポイント上昇している。
自動車以外も含む全体では、不良債権を抱える515万人のうち6割超に当たる328万人は不良債権額が10万バーツ以下だった。スパポン氏は、この層の債務問題を解決する包括的な対策があれば、多くの人を救済できると指摘。彼らが再び経済のけん引役になれるよう支援を講じるべきと主張した。





