【タイ】4月の車生産0.4%減、EV輸出始まる

【亜州ビジネス編集部】

タイ工業連盟(FTI)の22日発表によると、2025年4月の国内自動車生産台数は前年同月比0.4%減の10万4250台だった。前年同月を下回るのは21カ月連続。ただ改善傾向にあり、下落幅は21カ月中で最も小さかった。電気自動車(EV)の輸出が初めて集計され、660台が出荷された。また、前年割れが続いていた国内新車販売が23カ月ぶりにプラス転換した。

4月は大型連休があるため他の月に比べ生産台数が少ない。台数の内訳は、国内販売向けが13.5%増、輸出向けが6.7%減。国内向けはEVなどの生産拡大で乗用車が54.7%増と大幅な伸びが続いている。一方、家計債務の増加に伴うローン審査の厳格化を背景に、1トンピックアップトラックは引き続き大きく落ち込んだ。4月の国内新車販売は約1%増と、乗用車のけん引で23年5月以来のプラスに転じた。

完成車(CBU)の輸出台数は6.3%減の6万5730台。一部モデルが新型への切り替え時期だったことや、輸出先の炭素規制強化などが落ち込みの要因という。アジアや豪州への輸出が減った。

車種別で輸出全体の3分の2を占める1トンピックは5.9%増だった。乗用車ではエンジン車が半減したものの、ハイブリッド車(HV)が88.0%増の4701台に拡大。新たに輸出が始まったEVは全体に占める割合が1.4%と小さいが、5月には中国自動車大手の長安汽車が東部ラヨン県で工場を稼働させており、今後さらに増えるとみられる。

輸出・国内向けを含む乗用車の電動車の生産台数は、◆EV=7.4倍の4764台◆HV=35.3%増の1万8581台◆プラグインハイブリッド車(PHV)=4.2倍の1031台――だった。

1~4月の全体の生産台数は前年同期比12.0%減の45万6749台だった。同連盟は1月下旬、25年の自動車生産台数の予測を前年比2.1%増の150万台と発表。ただ足元で厳しい状況が続く中、4月には予測を数カ月以内に下方修正する方針を示した。

バイク生産17.1%増

同連盟によると、4月の国内バイク生産台数は前年同月比17.1%増の18万9547台だった。内訳は、CBUが15.2%増の15万7091台、輸出向けの完全組み立て部品(CKD)が27.2%増の3万2456台。輸出台数(CBUとCKDの合計)は33.4%減の6万1223台だった。1~4月のバイク生産台数は前年同期比8.9%増の85万4032台だった。


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