【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の5月30日発表によると、2025年4月の鉱工業生産指数(MPI、21年=100)は92.3となり、前年同月比で2.2%上昇した。3月も小幅に上昇しており、プラスは2カ月連続となる。電動車の生産が急伸したことで自動車が23年7月以来、21カ月ぶりに前年同月を上回った。ただ自動車の設備稼働率は約5年ぶりの低水準だった。MPIは季節調整済み前月比で2.9%上昇した。
主要10品目のうち6品目で前年同月から指数が上昇した。自動車(1.3%上昇)は乗用車(8.8%上昇)がけん引。乗用車ではエンジン車が落ち込んだものの、電動車が◆1801cc以上のハイブリッド車(HV)=95.3%上昇◆プラグインハイブリッド車(PHV)=646.2%上昇◆電気自動車(EV)=349.4%上昇――と伸びが大きかった。4月は国内新車販売が1.0%増と、約2年ぶりのプラスに転じている。
一方、国内販売の不振が続く1トンピックアップトラック(4.4%低下)は23カ月連続の前年割れ。エンジン(1.3%低下)も生産が落ち込んだ。
輸出が伸びている電子(1.4%上昇)は2カ月連続のプラスで、主力のハードディスク駆動装置(HDD、8.2%上昇)などが拡大した。ベースメタル(8.1%上昇)は2カ月ぶりのプラスに転換。鋼板(12.6%上昇)と鋼管(14.8%上昇)、条鋼(1.9%上昇)がそろって上昇した。食品(8.0%上昇)は野菜や水産物の加工品、日本からの受注で生産が増えたペットフードなどの伸びが高かった。
一方、電機(2.7%低下)では、変圧器と車載電池が20%前後の低下。飲料(6.5%低下)は焼酎やコーヒー飲料、果汁飲料など幅広い品目で落ち込んだ。
OIEが同時に発表した4月の製造業設備稼働率は56.5%となり、前年同月から0.5ポイント上昇した。ただ、大型連休があったことで前月からは7.5ポイント低下した。うち自動車の稼働率は44.8%で、前年同月から3.0ポイント低下、前月から10.6ポイント低下。新型コロナウイルス禍下で工場がストップした20年7月以来の低さとなった。





