【亜州ビジネス編集部】
商務省が6日発表した2025年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比でマイナス0.6%だった。マイナスは2カ月連続で、下落幅は前月(マイナス0.2%)から拡大。前年に猛暑で高騰していたナスなど生鮮野菜(マイナス24.9%)が大幅なマイナスとなったほか、原油価格の低下で車両用燃料(マイナス9.1%)の落ち込みが加速した。同省はCPIが今後も低水準で推移するとみており、年間の上昇率予測を前年比0.0~1.0%に下方修正した。
食品・非アルコール飲料(0.9%)は前月を0.7ポイント下回り、11カ月ぶり低水準を記録。好天で供給が増えた生鮮野菜のほか、家きん肉や卵の価格も前年を割り込んだ。一方、油脂(13.8%)は2桁の伸びが続いている。
食品以外では、車両用燃料が3カ月連続のマイナスで、下落幅は23年6月以来の大きさとなった。ガソホール(ガソリンにエタノールを混合した燃料)の値下がりが顕著となっている。ほか、政府が価格を抑制している電力(マイナス1.9%)が2カ月連続で落ち込んだ。
振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(1.1%)は前月(1.0%)から伸びが加速した。前月を上回るのは2カ月連続で、上昇幅は23年6月以来の高さとなる。
同省は6月のCPI上昇率を0.2~0.4%と予測。前年4~5月に野菜価格が高騰していたベース効果が剥落し、6月以降はプラス圏に戻るとみている。ただ上昇幅は引き続き低くとどまる見通しで、指数を押し下げる要因としては、前月と同じく◆原油価格が低下していること◆政府が電気代の抑制など生活費支援策を実施していること◆好天続きで生鮮野菜の生産が増えたこと◆大企業が販促活動を実施していること――の4つを挙げた。
一方、ライムやタマリンドペースト、コーヒー、調理油など一部農産物・食品の値上がりが指数を下支えするとの見方を示した。米国の関税引き上げの影響については、今後の交渉結果次第としている。
年間のCPI上昇率予測は0.0~1.0%(平均0.5%)とし、前月までの0.3~1.3%(平均0.8%)から下方修正した。1~5月は前年同期比で0.5%だった。





