【シンガポール】LCCのジェットスター・アジア、来月末で運航終了

【亜州ビジネス編集部】

豪州のカンタス航空は11日、シンガポールを本拠とするグループ傘下の格安航空会社(LCC)、ジェットスター・アジアの運航を来月31日で終了すると発表した。競争激化やコスト上昇で赤字となる中、撤退して資源をオセアニア事業に集中する。

チャンギ国際空港から展開していた全16路線が運航終了となる。同じカンタス航空傘下のジェットスター・ジャパンやジェットスター・エアウェイズの路線や発着時刻には影響しないとしている。

ジェットスター・アジアは2004年の設立以降、シンガポールを拠点にクアラルンプール(マレーシア)やジャカルタ(インドネシア)、バンコク(タイ)、マニラ(フィリピン)などへの短距離国際線を展開。沖縄やブルーム(豪州北西部)などとも接続しており、現地報道によると、2024年には旅客数が230万人に達した。しかし近年は供給過剰や競争の激化に加え、空港使用料や取引先コストが上昇。25年に3500万豪ドル(約33億円)の営業赤字を見込む中、カンタスは撤退を決めた。

従業員はシンガポールを中心に500人超が離職対象となる見通し。カンタスは退職手当や再就職支援を提供する方針で、シンガポールの労働組合とも協力し、必要な支援を行うとしている。影響を受ける利用客には払い戻しや代替便の案内を行う。

ジェットスター・アジアが保有するエアバスA320型機13機は、運航終了後にカンタス航空やジェットスター・エアウェイズのオセアニア路線などに活用する方針。こうした再配置により、最大で5億豪ドルの資産移動が行われ、運賃低下やオセアニアでの雇用増加につながるとしている。

チャンギ空港の運営会社は、路線喪失による接続性低下に懸念を示す一方、他社との連携で既存路線の補完や、ジェットスター・アジアが独占運航していた4都市(沖縄、ブルーム、インドネシア・ラブアンバジョ、中国・無錫)への接続回復に努めるとしている。


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