【亜州ビジネス編集部】
ファム・ミン・チン首相はこのほど、中部ダナン市での「ダナン自由貿易区(FTZ)」の設立を承認した。国内初のFTZで、総面積は約1881万平方メートル。7つの区画に分散して配置する。リエンチエウ港やダナン国際空港、東西経済回廊と連携し、製造や物流、商業、サービス、ハイテク産業など多様な機能を担う戦略的拠点として整備を進める。ザ・インベスターなどが16日付で伝えた。
同FTZは、昨年6月に国会で採択された決議第136号および関連法令に基づき設置する。製造・物流、商業・サービス、情報技術(IT)・デジタル産業、イノベーション関連の機能ごとに区画を分け、それぞれが現代的かつ統合的なインフラを備える。企業誘致に向けたさまざまな優遇措置も講じる。
製造・物流エリアでは、AI(人工知能)や半導体、再生可能エネルギー、航空産業など高度技術を活用した産業の誘致を進める。物流分野では、デジタル技術や自動化を活用した多様な輸送手段による高付加価値サービスの提供を目指す。
商業・サービスエリアでは、免税店や観光・宿泊施設、教育・医療・スポーツ・娯楽など国際水準のサービスを集積。知識経済の振興と地域統合の促進を図る。IT・イノベーションエリアでは、研究開発(R&D)やスタートアップ支援、デジタル転換に関連する事業者の集積を進め、AI、クラウド、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)といった先端技術の活用を促す。
政府は、ダナン市を国際金融センターとする構想も掲げており、FTZと合わせて国際競争力の高い一大経済拠点に発展させる考えだ。