【亜州ビジネス編集部】
政府は23日、カンボジア国境の出入国管理を強化し、出入国を原則として禁止すると発表した。両国間で軍事衝突が発生し、国境紛争が再燃したためで、通学や通院など人道上の理由が認められる場合を除いて車両や人の出入りを禁止するとしている。
カンボジア北西部シェムリアップへの賭博目的での空路渡航も制限する。国境地帯のカンボジア側が特殊詐欺の拠点になっていると政府は指摘し、国境閉鎖は犯罪防止が目的と主張した。
両国間では先月末に国境が未画定な地域で軍事衝突が起き、カンボジア兵1人が死亡した。カンボジア政府はこれを受け、タイからの石油や天然ガスの輸入中止などを打ち出した。
カンボジアのタイ国境付近は、一部の労働集約的な工程をタイから周辺国に分業する「タイプラスワン」の拠点として日系企業も進出する。国境の事実上の閉鎖による供給網への影響が懸念されている。





