【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の6月30日発表によると、2025年5月の鉱工業生産指数(MPI、21年=100)は100.8となり、前年同月比で1.9%上昇した。プラスは2カ月連続。電気自動車(EV)など電動車のけん引で自動車(12.9%上昇)の伸びが加速した。ただMPIは季節調整済み前月比では0.6%低下した。
主要10品目のうち8品目で前年同月から指数が上昇した。自動車は2カ月連続のプラスとなり、乗用車(22.1%上昇)が大きく拡大。また、1トンピックアップトラック(5.2%上昇)が輸出の伸びで23年6月以来のプラスに転じた。乗用車では、足元で国内販売が増えているEV(373.0%上昇)やプラグインハイブリッド車(PHV、260.9%上昇)の伸びが大きかった。
食品(5.6%上昇)はパーム油(25.1%上昇)や砂糖(21.4%上昇)が好調。共に原料生産の拡大が追い風となり、パーム油はインドや中国からの受注増もあって輸出向け生産が1.5倍に増えた。
輸出が伸びている電子(4.8%上昇)は3カ月連続のプラスで、主力のハードディスク駆動装置(HDD、5.3%上昇)など幅広い品目で生産が拡大。ベースメタル(5.0%上昇)は2カ月連続のプラスとなり、条鋼(7.6%低下)が落ち込んだものの、熱延鋼などの鋼板(23.5%上昇)と鋼管(6.7%上昇)が拡大した。
一方、前年より暑期が短かったことや価格競争の激化を背景にエアコン・圧縮機(10.6%低下)は2桁のマイナス。また、飲料(9.6%低下)は内需低迷で6カ月連続の前年割れとなった。
OIEが同時に発表した5月の製造業設備稼働率は61.1%となり、前年同月から1.1ポイント上昇。大型連休があった前月からは4.5ポイントの上昇となった。うち自動車の稼働率は58.6%で、24年3月以来、1年2カ月ぶりの高水準を記録。前年同月から2.4ポイント上昇、前月から13.7ポイント上昇だった。





