【タイ】6月の工業生産0.6%増、自動車の伸び加速

【亜州ビジネス編集部】

工業省工業経済事務局(OIE)の7月30日発表によると、2025年6月の鉱工業生産指数(MPI、21年=100)は97.4となり、前年同月比で0.6%上昇した。前年同月を上回るのは3カ月連続。食品(0.2%低下)など主要品目の多くが落ち込んだものの、電気自動車(EV)を含む電動車のけん引で自動車(17.0%上昇)の伸びが加速した。MPIは季節調整済み前月比では0.6%低下した。

主要10品目のうち前年同月から指数が上昇したのは3品目のみ。自動車が大きく伸びて指数全体を押し上げた。乗用車(30.7%上昇)の拡大が続いており、うち足元で国内販売が増えているEV(374.4%上昇)や、1800cc以上のハイブリッド車(HV、119.5%上昇)が高水準の伸びを維持している。1トンピックアップトラック(5.8%上昇)も前年同月を上回った。

電子(4.8%上昇)は4カ月連続のプラス。米国の関税引き上げに備えた前倒しの輸出があったことで、プリント基板アセンブリー(PCBA、12.9%上昇)などの生産が拡大した。

一方、食品は4カ月ぶりに前年同月を下回った。乳製品や水産物、冷凍冷蔵鶏肉など幅広い品目で落ち込んだ。また、エアコン・圧縮機(14.2%低下)は前月に続く2桁の低下。前年より暑期が短かったことや、中国からの輸入品との価格競争激化で苦戦を強いられた。ベースメタル(0.6%低下)は3カ月ぶりのマイナスとなり、鋼管(20.3%上昇)が拡大する一方、熱延鋼などの鋼板(2.4%低下)と条鋼(9.0%低下)が落ち込んだ。

OIEが同時に発表した6月の製造業設備稼働率は59.6%となり、前年同月から0.7ポイント上昇。ただ前月からは1.4ポイント低下した。うち自動車の稼働率は55.8%で、前年同月比で4.0ポイント上昇、前月比で2.6ポイント低下だった。


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