【中国】中国製ロボが日本で市場拡大、技術と現地対応で存在感

【亜州ビジネス編集部】

中国のロボットメーカー、上海擎朗智能科技有限公司(KEENON)はここ数年、サービスロボットの輸出を拡大している。日本では大手飲食チェーンや図書館、ホテルなどで同社製品の導入が進み、現地の人手不足や高齢化への対応策として注目されている。中国政府系メディアが12日付で報じた。

同社は日本市場向けに、小型で小回りが利き、日本語表示や音声対応が可能なモデルを開発。表情が変化するアニメーション機能など、親しみやすさを重視した設計が特徴だ。最狭49センチの通路も通過できる機体に加え、複数のカメラやセンサーを搭載し、混雑時の安全性にも配慮している。

現地での技術支援体制も強化しており、日本国内に200カ所を超える拠点を設置。故障時には2時間以内の初動対応、24時間以内の修復を可能とする体制を構築した。代替機には、クラウド経由で数分以内に設定情報が引き継がれ、運用面でも高い即応性を備える。

同社創業者の李通氏は「日本では人件費が高く、ロボットは人件費の3分の1で導入できる。しかも年中無休で安定稼働する」と語る。こうしたコスト面と運用効率の両面が評価され、導入が広がっている形だ。

さらに、同社は日本国内に保税倉庫やローカルサーバーを設け、部品供給やソフトウエアの最適化にも対応。日本型管理に合わせたアルゴリズム調整など、現地ニーズに即した製品開発を進めている。

一方、物流分野でも中国企業の進出が加速。浙江省の牧星機器人(浙江)有限公司は、分別・搬送機能を備えた物流ロボットを日本市場で展開している。医薬品倉庫や自動車メーカー向けに導入が進み、2025年上半期(1~6月)の売上高は前年同期比で約3割増となった。最大1.5トンの荷物を搬送できる機種もあり、EC倉庫や製造現場での活用が広がっている。

帝京大学の露口洋介教授は「中国のロボット産業は、規模競争から技術・品質・ブランド競争へとシフトしている。日本市場での展開はその象徴だ」と指摘する。中国製ロボットは、現地適応力と技術対応力を武器に、グローバル市場での存在感を高めている状況だ。


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