【タイ】7月の輸出11%増、米中向けの大幅増続く

【亜州ビジネス編集部】

商務省の25日発表によると、2025年7月の輸出額は前年同月比11.0%増の285億8070万米ドルだった。前年同月を上回るのは13カ月連続で、足元の7カ月は2桁増で推移。米国の関税引き上げに備えた前倒しの輸出があり、米国向けが3割増、中国向けが2割増と引き続き大幅な伸びだった。輸入額は5.1%増の282億5860万米ドル。貿易収支は3億2210万米ドルの黒字だった。

輸出額は、全体の8割を占める主要工業製品が14.0%増、2割弱の農産物・加工品が10.9%増など。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は16.6%増だった。

工業製品の輸出では、電子製品(35.2%増)が引き続き大きく拡大。主力のコンピューター・部品(61.0%増)が前月に続く約6割の増加で、米国や中国、マレーシアへの輸出が増えた。プリント基板(PCB、54.9%増)も伸びが高く、香港や台湾向けが好調を維持した。

電子以外では、米国向けが伸びている機械・部品(44.1%増)や変圧器(19.8%増)なども2桁のプラス。車両・部品(4.2%増)は部品の伸びが乗用車の落ち込みをカバーした。

主要国への輸出では、全体の2割を占め最大の米国(31.4%増)が22カ月連続のプラス。コンピューター・部品や機械・部品がけん引した。2番目に大きい中国(23.1%増)は前月に続く2割増で、果物やコンピューター・部品が引き続き拡大。3番目の日本(7.1%増)はバイク・部品などの伸びで2カ月連続のプラスとなった。

輸入では、資本財に含まれる電気機械・部品(49.7%増)やコンピューター・部品(12.2%増)が2桁の増加。一方、鉄・鉄鋼製品(3.9%増)は伸びが減速した。

1~7月の累計は、輸出額が前年同期比14.4%増の1954億3260万米ドル、輸入額が10.6%増の1951億7270万米ドル、貿易収支が2億5990万米ドルの黒字だった。

現地報道によると、同省貿易政策・戦略事務局(TPSO)のプーンポン事務局長は、今後の輸出について、8月以降は減速するものの、年間目標である2~3%増の達成は可能との見方を示した。タイに対する米国の相互関税率が近隣国と同水準の19%となり、競争力を保てるとしている。


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