【タイ】25年の経済成長率2.4%予測、財務省が上方修正

【亜州ビジネス編集部】

財務省は10月30日、2025年の国内総生産(GDP)成長率予測を前年比1.9~2.9%(平均2.4%)と発表し、7月時点で予測していた1.7~2.7%(平均2.2%)から引き上げた。輸出の拡大が続いていることから輸出額の予測を上方修正した。また、政府が新たな景気刺激策を導入したことで第4四半期の個人消費拡大にも期待できるとしている。

同省は3カ月ごとにGDP予測を改定しており、上方修正は2回連続となる。今回は物品輸出額(米ドル建て)の予測を10.0%増とし、前回予測(5.5%増)から大きく引き上げた。米国の関税政策に対する不透明感が後退したことで、同国向けの輸出が9月に前年同月比35.3%増えるなど、輸出拡大が続いている。

民間消費の予測は0.1ポイント引き下げて3.0%増とした。下方修正は2回連続。政府が10月末に開始した日用品の購入補助政策に期待できるものの、家計債務の高止まりや外国人観光客数の落ち込みが懸念される。外国人観光客数の予測は3350万人に引き下げた(前回予測は3450万人)。

民間投資の予測は1.7%増とし、1.3ポイント下方修正。一方、公共投資の予測は前回を1.7ポイント上回る5.6%に上方修正した。

インフレ率の予測は前回のプラス0.4%からマイナス0.2ポイントに引き下げた。政府の生活費支援策で電気料金などが引き下げられていることを理由に挙げた。

26年は2.0%成長に減速へ

同省は26年のGDP成長率を1.5~2.5%(平均2.0%)と予測した。25年に輸出が大きく拡大した反動が出て、物品輸出額が1.5%減と落ち込む見通し。また、民間消費が2.4%増に減速するとみている。

24年のGDP成長率は2.5%だった。財務省の予測通りだと、25年、26年は2年連続で成長が鈍化することになる。


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