【アセアン】東南アジアのスマホ市場、3四半期連続で縮小

【亜州ビジネス編集部】

調査会社の英オムディアによると、2025年第3四半期の東南アジアのスマートフォン出荷台数は、前年同期比1%減の2560万台だった。3四半期連続のマイナス成長となり、依然として市場には調整圧力が残る。価格に敏感な消費環境に加え、メモリーやストレージの値上がりによる販売価格の上昇が重しとなった。

ブランド別では韓国サムスン電子が10%増の460万台で首位。シェアが16%から18%に上昇し、順位を3位から上げた。国別シェアでは、高価格帯モデルが比較的好調なタイで29%、ベトナムで19%と首位に立ち、マレーシアでも15%で2位につけた。

域内2~5位はいずれも中国勢が入った。2位の伝音科技(トランシオン)は3%増の460万台(シェア18%)で、首位サムスンと僅差。インドネシアとフィリピンに低価格帯ブランドの「インフィニックス」や「テクノ」を投入しており、両国ではそれぞれシェア21%、35%と首位を確保した。

3位は小米集団(シャオミ)で7%増の430万台(シェア17%)。「ポコ」シリーズの新型が寄与し、低価格帯の出荷が倍増した。4位のOPPO(オッポ)は20%減の380万台(15%)と大幅減で、需要鈍化や販路調整が響いた。5位のVivo(ヴィーヴォ)は10%増の290万台(11%)に拡大し、「Y」シリーズの投入が販売を押し上げた。

オムディアは、東南アジア市場では200米ドル未満の低価格帯が6割以上を占める中、部品コスト上昇がメーカーの負担となっていると指摘。今後は価格調整や仕様削減、マーケティング費の圧縮など、各社が難しい判断を迫られるとの見方を示した。一方、在庫は総じて健全化しており、年後半は製品投入を前倒しするなど、各社が攻勢を強めているという。


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