【タイ】11月のCPIは0.5%低下、8カ月連続マイナス

【亜州ビジネス編集部】

商務省が3日発表した2025年11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比でマイナス0.5%だった。マイナスは8カ月連続。原油価格下落と政策要因で燃料や電力の落ち込みが続いている。ただ前月(マイナス0.8%)からは下げ幅が縮小した。前月まで大幅な低下が続いていた生鮮野菜が値上がりし、食品がプラス転換した。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(0.7%)は前月(0.6%)を小幅に上回った。

食品・非アルコール飲料(0.5%)は4カ月ぶりのプラス。パクチーや空芯菜などの生鮮野菜(6.8%)が10カ月ぶりプラスに転じたほか、生鮮海水魚(8.8%)の伸び加速なども指数を押し上げる要因となった。一方、コメ(マイナス2.4%)は下落幅が拡大した。

食品以外では、原油価格の下落を背景に車両用燃料(マイナス8.2%)が9カ月連続の前年割れとなり、前月から落ち込みが加速。また、燃料価格の下落と政府の生活費支援策で電力(マイナス2.9%)も前年同月を下回って推移している。

1~11月は前年同期比でマイナス0.1%だった。同省は年間のCPI上昇率を0.0%と予測。また、26年の予測は0.0~0.1%とした。26年については、原油価格を1バレル60~70米ドル、為替レートを1米ドル32~33バーツ、国内総生産(GDP)を1.2~2.2%などと想定している。

26年に指数を押し上げる要因には、◆25年に値下がりした農産物の価格回復◆観光業の回復に伴う関連製品・サービスの値上がり――の2つを挙げた。一方、◆原油価格が前年水準を下回ること◆政府が電気代の抑制など生活費支援策を実施すること◆国内の経済減速で内需が勢いを欠くこと◆海外の経済減速とバーツ高で安価な輸入品の流入が増えること――が価格上昇を抑える要因になると見ている。


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