【亜州ビジネス編集部】
シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は、ベトナムの2026年の国内総生産(GDP)成長率予想を従来の7.0%から7.5%に引き上げた。25年の経済成長率(8.02%)が想定を上回ったことを踏まえたもので、UOBはベトナム経済が「強い勢いを持って26年に入った」と評価した。一方で、高い前年水準の反動や米国の関税政策を巡る不透明感が今後の下振れ要因になる可能性も指摘している。ベトナムニュースが伝えた。
ベトナム統計総局によると、25年第4四半期のGDP成長率は前年同期比8.46%と、第3四半期(8.25%)から加速。UOBの従来予想(7.2%)やブルームバーグの予想(7.7%)を上回り、新型コロナウイルス後の反動期を除けば09年以来の高水準となった。通年でもUOBの予想(7.7%)を上回る8.02%で着地した。
25年の成長率は、国会が掲げた成長率目標の8.3~8.5%には届かなかったものの、米国の関税措置という逆風の中で輸出と製造業が引き続き成長を主導。外国直接投資(FDI)も底堅く、25年の実行額は9%増の276億米ドルと過去最高を更新した。UOBは、世界的なサプライチェーン(供給網)再編を背景に、対内投資の流れは当面続くとの見方を示した。
一方、UOBはベトナム経済が輸出依存度の高い開放経済である点に注意が必要と指摘。GDPの約83%に相当する輸出は米国向けが約3割を占め、相互関税の賦課に伴う輸出の前倒し需要が一巡した後は、米国の消費動向次第で受注が鈍化する可能性があると警告した。
ベトナム中央銀行の金融政策については、26年を通して政策金利(リファイナンスレート)が4.5%に据え置かれると予想。25年の平均インフレ率が3.2%、コアインフレ率が3.3%と高めで推移していることや、ドン安基調が背景にあるとしている。





