【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央銀行は9日、緊急の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利、BIレート)を0.25ポイント引き上げて5.50%に改めると発表した。定例会合を待たずに実施した緊急利上げは約8年ぶり。中東情勢の悪化を背景とする世界的な金融市場の混乱やルピア安への対応を優先し、通貨安定を重視する姿勢を改めて示した。
中銀は声明で、今回の利上げを「中東戦争に起因する世界的な変動の影響に対し、ルピア相場の安定を強化するための追加措置」と説明。2026~27年のインフレ率を政府目標である1.5%~3.5%の範囲内に維持するための予防的な対応とも位置付けた。
中銀は、5月の定例会合で2年ぶりに利上げして以降も、ルピア相場は想定以上に下落したと指摘。世界的な不透明感の高まりに加え、国内での外貨需要の増加や外国人投資家による資金流出が下押し要因となったとしている。
ロイター通信などによると、ルピアは9日に一時1米ドル=1万8190ルピアと過去最安値を更新したが、利上げ決定後は1万8050ルピア前後まで持ち直した。年初来では約8%下落しており、中東情勢の悪化後だけでも約7%下落した。政府の大型財政支出計画や燃料補助金の拡大、中銀の独立性を巡る懸念なども投資家心理を冷やしているとされる。
中銀は利上げと併せて、海外資金の流入促進策も打ち出した。中銀が発行するインドネシア銀行ルピア証券(SRBI)の利回りを引き上げるほか、外国人投資家向けの為替ヘッジコストを10%引き下げる。また、国債などを担保とした銀行向けレポ取引オークションを再開し、市場への流動性供給を強化する。
ペリー・ワルジヨ総裁は追加利上げの可能性について「来週を待ってほしい」と述べるにとどめた。一方で、外貨準備高はルピア相場の安定化を続ける上で十分な水準にあるとの認識を示した。




