【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央銀行は18日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利、BIレート)を0.25ポイント引き上げて5.75%に改めると発表した。今月9日の緊急利上げに続く追加引き締めで、過去4週間の利上げ幅は計1.00ポイントに達した。ルピア相場の安定化と海外資金の流入促進を優先し、通貨防衛姿勢を一段と鮮明にした。
中銀は声明で今回の利上げについて、「ルピア相場の安定をさらに強化するための措置」と説明。世界的な金融市場の不透明感が続く中、2026~27年のインフレ率を政府目標である1.5%~3.5%の範囲内に維持するための予防的な対応とも位置付けた。
ロイター通信によると、ペリー・ワルジヨ総裁は会見で、世界市場を巡る環境が依然として流動的だと指摘。中東情勢への懸念はやや後退したものの、資本流出圧力や為替市場の変動が続いているとして、ルピア相場の安定を最優先課題に据える考えを示した。
ルピアは8日に一時1米ドル=1万8190ルピアと過去最安値を更新した後、翌日の緊急利上げや米国とイランの暫定合意を受けて持ち直した。18日の追加利上げ決定後は1万7725ルピア前後まで回復。ただ年初来では約6.5%下落しており、アジア新興国通貨の中で最も下落率が大きいという。
ルピア安の背景には、世界的な市場の変動に加え、プラボウォ政権による大型財政支出計画や燃料補助金の拡大、中銀の独立性を巡る懸念などがあるとされる。また、米モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)がインドネシア株式市場の格付けを「新興国」から「フロンティア市場」に引き下げる可能性も投資家の警戒材料となっている。
5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.08%と、4月の2.42%から加速したものの、中銀の目標レンジ内に収まった。ただ、国営石油プルタミナによる燃料価格引き上げや、エルニーニョ現象による農産物供給への影響から、今後はインフレ圧力が高まる可能性も指摘されている。




