【亜州ビジネス編集部】
タイ中央銀行は24日の金融政策決定会合で、政策金利(翌日物レポ金利)を1.00%に据え置くことを全会一致で決定した。据え置きは市場予想通り。AI(人工知能)関連の輸出・投資の増加を背景に景気見通しを引き上げた一方、景気回復の恩恵が中小企業や家計に十分波及しているかを見極める必要があると判断した。
中銀は2026年の国内総生産(GDP)成長率を2.3%と見込み、4月時点の予想(1.5%)から引き上げた。27年は1.8%と、従来予想(2.0%)から上方修正。テクノロジーやAI関連需要を背景とした輸出の拡大や民間投資の増加に加え、政府によるエネルギー危機対策や中東情勢の改善が景気を押し上げるとみている。一方、経済成長は依然として低水準かつ不均衡で、中小企業は競争激化への対応に苦戦していると指摘した。
インフレ率予想は26年が2.8%、27年が1.4%とした。26年下半期はエネルギー価格や生産コストの上昇を受け、物価上昇率が目標レンジ(1.0~3.0%)を上回る見通し。ただ、供給側要因による一時的な上昇とみており、27年には供給制約の緩和や前年の反動で鈍化すると見込む。
中銀は信用動向について、融資の伸びが依然として低水準にとどまっているとの認識を示した。大企業向け融資が全体を支える一方、中小企業向け融資は減少が続いている。金融機関は高リスク先への融資に慎重な姿勢を維持しており、中小企業や脆弱な家計の債務返済能力を引き続き注視する必要があるとした。
為替面では、バーツは米連邦準備理事会(FRB)の金融政策見通しの変化に伴うドル高を背景に下落したと説明。ただ中銀は、金融緩和的な政策スタンスと政府の支援策が景気回復を支えていると評価しており、今後もインフレ動向や中長期のインフレ期待を注視しながら政策運営を行う方針としている。




