【中国】中国半導体輸入急増の実態、単価上昇が映すAI・メモリー需要

【亜州ビジネス編集部】

中国の半導体輸入額が足元で急増している。中国機電製品進出口商会(CCCME)によると、2026年上半期の中国の集積回路(IC)輸入額は、前年同期比55.8%増の2980億2000万米ドル(約47兆5000億円)に拡大し、上半期として過去最高を更新した。一方、輸入数量は8.1%増の3047億5000万個にとどまった。金額の伸びが数量を大幅に上回っており、平均輸入単価を概算すると前年同期比約44%上昇したことになる。

この数字からは、中国が単純に半導体の輸入数量を大幅に増やしたというより、高単価品の構成比上昇や半導体価格の上昇が輸入額を押し上げている実態が読み取れる。CCCMEは、世界的なAI演算需要やデータセンター投資、中国国内の端末産業の需要拡大に加え、高付加価値メモリーの構造的な供給不足と価格上昇がIC輸入額の増加につながったと説明している。

特に価格上昇が目立つのがメモリーだ。台湾の市場調査会社TrendForceは、AIサーバー需要やクラウドサービス事業者による長期調達契約を背景に、26年第2四半期の従来型DRAM契約価格が前四半期比58~63%、NANDフラッシュが70~75%上昇したと報告した。DRAMではサーバーやHBM向けへの生産能力配分が進み、NANDではAI・データセンター需要を背景に企業向けSSDへの供給が優先されている。

中国国内の半導体生産そのものも拡大している。国家統計局によると、26年上半期の一定事業規模以上の鉱工業企業によるIC生産量は前年同期比23.1%増の2798億個に上った。ただ、この統計は製品の性能やプロセス別の内訳を示すものではなく、国内生産量の増加だけからハイエンド半導体の自給状況を判断することはできない。

供給側では韓国の存在感が大きい。CCCMEによると、韓国は中国にとって主要なメモリーチップの調達先だ。一方、韓国による26年上半期の半導体輸出額は、前年同期比162.6%増の1924億米ドルに膨らんだ。ただし、これは韓国の世界向け半導体輸出全体の数字であり、中国向け輸出額そのものではない。

現在の中国の半導体輸入は、数量増以上に単価上昇の影響を強く受けている。輸入数量が1桁の伸びにとどまる一方、輸入額が5割超増えたことからも、AI需要やメモリー価格上昇が貿易構造を変えている姿がうかがえる。今後は輸入総額だけでなく、平均単価、メモリーの構成比、高性能サーバー向け半導体の調達状況、国・地域別の供給構造、国産半導体による代替の進展を併せて見る必要がある。

(参考:中国国際商会、TrendForce、中国新聞網など)


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