【亜州ビジネス編集部】
タイ中央銀行は26日の金融政策決定会合で、政策金利(翌日物レポ金利)を1.00%に据え置くことを全会一致で決定した。据え置きは3会合連続で、市場予想通り。AI(人工知能)関連の輸出・投資が景気を下支えする一方、個人消費は伸び悩んでおり、現行の政策金利が景気回復を支える上で適切と判断した。
ロイター通信が実施した事前調査では、エコノミスト32人中30人が政策金利の据え置きを予想していた。今後の金利についても、見通しを示した21人中17人が2027年末まで1.00%に据え置かれると予想している。中銀は24年10月から26年2月までに計6回、合計1.50ポイントの利下げを実施しており、2月を最後に金利を据え置いている。
中銀は経済成長について、依然として低水準かつ不均衡との認識を示した。AI関連などの輸出・投資は輸入原材料への依存度が高く、国内経済への波及効果が限定的と指摘。中小企業は環境変化への対応や競争激化に直面しているとした。中銀は6月時点で26年の国内総生産(GDP)成長率を2.3%と予想している。
26~27年のインフレ率は、主に世界的なエネルギー価格の動向を受け、従来予想を下回る見通し。ただ、エルニーニョ現象や段階的なコスト転嫁の影響で27年第1四半期まで上昇し、その後は前年の反動や内需の弱さを背景に再び低水準に戻ると予想した。中期的なインフレ期待は目標レンジ内にとどまっている。
信用動向については、融資全体の伸びが上向いており、大企業向け融資がけん引している。一部は新たな投資に伴うものだが、大半は運転資金需要という。一方、中小企業向け融資は減少が続いている。金融機関は高リスク先への融資に慎重な姿勢を維持しており、中小企業や脆弱(ぜいじゃく)な家計の債務返済能力を引き続き注視する必要があるとした。
為替面では、バーツの対米ドル相場は中東の地政学情勢や米連邦準備理事会(FRB)の金融政策見通しを巡る市場予想の変化を背景に変動が大きくなっていると説明。中銀は今後、中東情勢や世界的な貿易保護主義の台頭、インフレなどによるリスクに注視するとしている。




